Mt.Fuji Kamaiwakan

皆様、はじめましてじゃな。わしの名は・・・そうじゃな、周りの者は“ハカセ”と呼ぶのう。フォッフォッフォ。

何を言うか！わしは、隠し事が好きなお年頃なだけじゃ！大体、最近の若いもんは・・・・。

はじまりはじまり～じゃな。フォッフォッフォッフォ。

フム、まず富士山の高さじゃが、3776mあるのう。これは世界の火山の中で29番目の大きさなんじゃ。

フム、それだけじゃないのう。富士山は高さ以外も大きいんじゃ。

フム、その通りじゃ。東西が約39km、南北が約38km、火口の直径ですら約800mもあるというから驚きじゃ。

フム、それだけ大きい富士山じゃから、登ってみたくなる気持ちも分かるのう。フォッフォッフォッフォ。

フム、ずーーっとずーーーっとずーーーーっと昔からあるのう。

フム、富士山の年齢じゃな。富士山が火山じゃというのは、知っておるかのう？

フム、それでじゃな、今の富士山は4つの段階の火山によってできたのじゃ。

フム、一番古くから活動していたのが“先小御岳火山(センコミタケ火山)”、次に“小御岳火山”、その次に“古富士火山”そして最後に今の富士山の形を作った“新富士火山”という、4つの段階があるのじゃよ。

フム、“先小御岳火山”はじゃな、数十万年前にできた、としか分かっておらんのじゃ。

フム、“新富士火山”は約一万一千年前から活動しておるのう。

フム、そうじゃのう。わしも富士山をみならって長生きせねばじゃな。フォッフォッフォッフォ。

フム、富士山の名前かの～。これはじゃな、ハッキリとは分かっておらんのじゃ。

フム、まずは“フジ”という発音じゃが、これは、アイヌ語で火を意味する“フチ”や、大昔の日本語で斜面や弧を描く様子を表した“フジ”など、他にもいっぱい説があるんじゃ。

フム、それはちょっと違うようじゃな。じゃが漢字にも諸説あってのう。

フム、そうじゃな有名なのは、二つと無いという意味の“不二”や、不老不死を意味する“不死”などこれまたいっぱい説があるんじゃ。他にも雪が絶えないという意味の“不尽”とも聞くが、夏の富士山に雪は無いからのう。フォッフォッフォ。

フム、それはじゃな、平安時代のころから“富士”という字が多く使われておったようじゃ。きっと色んな字の中から“富士”が残ったんじゃろう。

フム、そうじゃな、きっと謎解きのロマンを、残してくれておるんじゃのう。フォッフォッフォッフォ。

フム、富士山の神様じゃな。

フム、女性の神様じゃよ。“コノハナサクヤビメノミコト”と呼ばれておる。一般的に漢字では“木花咲耶姫”と書かれておるのう。富士山の頂上に“富士山本宮浅間大社”という神社があるんじゃが、そこには“木花之佐久夜毘売命”と書かれておるがのう。

フム、神様の名前はみんなそんなもんじゃぞ。木花咲耶姫の夫である“ニニギノミコト”も“瓊瓊杵尊”じゃからのう。

フム、一般的には“火の神様”として知られておるのう。それ以外にも、かつては活火山じゃった富士山が噴火しないようにと祀られた“水の神様”とも言われておる。

フム、そうでもないんじゃ。“木花咲耶姫”はとても美しい神様でのう。“桜”の美しさを象徴する神様ともされておるのじゃ。

フム、そうじゃのう。“瓊瓊杵尊”は天皇家の祖先でもあるのじゃが、その“瓊瓊杵尊”が、“木花咲耶姫”のあまりの美しさに惹かれて彼女と結婚したんじゃ。

フム、そうじゃな。天皇家の祖先の神様が“木の花の神様”と結婚したから、人間は“花の様に儚く”命に終わりのあるつまり“寿命”があるようになったとも言われておるのう。フォッフォッフォッフォ。

フム、おおざっぱに言うと、そうなるのう。

フム、富士山の頂上はじゃな、どちらの県でもないんじゃ。

フム、前回の話でちらっとじゃが、富士山の頂上に浅間大社があると言ったじゃろう。

フム、その通りじゃ。富士山の頂上はじゃな。その“富士山本宮浅間大社”の境内なんじゃ。

フム、住所も無いんじゃ。なんせ県名が無いからのう。

フム、富士山の山頂は人間が所有する土地ではなく、神様の棲む“神域”ってことじゃのう。フォッフォッフォッフォ。

フム、エネルギーが集中して存在するという場所のことじゃな。そのパワースポットがどうしたんじゃ？

フム、富士山は富士山自体が、パワースポットじゃからのう。

フム、富士山は霊山としても、古くから大切にされておるからのう。日本の有名なパワースポットの一つじゃな。

フム、そうじゃな、富士山の神様が祀られておる神社が頂上にあったじゃろう。

フム、その神社も、富士山周辺にある“浅間神社”もパワースポットと言えるじゃろう。

フム、富士山周辺なら“氷穴”や“風穴”、あと“白糸の滝”が有名なところかのう。

フム、いっぱいあるのう。じゃがな、どこがパワースポットというより、自分で実際行ってみて、“気持ちがいい”とか“リラックスできる”と感じる場所が本当のパワースポットと言えるのかもしれないのう。フォッフォッフォッフォ。

フム、本当じゃよ。標高が高い山では“森林限界”というのがあるんじゃよ。

フム、“森林限界”はじゃな、高木が生きることができなくなる“限界高度”のことじゃな。富士山では標高2500メートル付近が“森林限界”の境界線になっておるのう。

フム、そうでもないんじゃ。高い木がなくなるだけで、カラマツとかは生えておるぞ。

フム、そうなんじゃが、普通の姿では生えておらんのじゃ。地面をはうようにして生えておるんじゃ。

フム、それはじゃな、高いところでは“強風”と“積雪”の影響を強く受けるからなんじゃ。

フム、そうではないのう。標高約3000メートルを超すとカラマツたちも姿を消してしまうんじゃよ。

フム、あとは、草花と苔の世界になるんじゃよ。

フム、そうじゃのう。それが自然の厳しさってものなんじゃよ。高い山ほど坊主頭になっておるってことじゃな。フォッフォッフォッフォ。

別に変なしゃべり方なんかしておらんじゃろう？

分かっておらんのう。このしゃべり方じゃと、“ハカセ”っぽいじゃろう。

フム、今度は実際に、富士山に登ってみると新しい発見がきっとあるはずじゃぞ。

そうじゃな、富士山に登る事で、自然の素晴らしさを身体と心で感じて、自然を大切にする心を学んでくれると嬉しいのう。

フム、修学旅行で富士山に登る子もおるし、夏休みの自由研究に使うからって、写真を撮ったりしに来る子もおるのう。

フム、そうかそうか、頑張るんじゃぞ。ただし、撮るのは写真だけで、富士山に生きておる植物とかを実際に取ったりしてはならないんじゃぞ。

富士山は、“国立公園”じゃからのう。植物を持って帰ることは禁止されておるから、知らずに取ったりしないよう注意が必要なんじゃ。

フム、富士山の事で、分からない事や不思議に思った事があったら、何でも聞いてくれれば良いからのう。では、また会う日までじゃな。フォッフォッフォッフォ。

フム、“鎌岩館（かまいわかん）”というのはじゃな、富士山にある“山小屋”の名前なんじゃよ。

フム、山小屋というのはじゃな、富士山に登る人たちが、宿泊したり、食事をしたりするところのことじゃ。また、いざという時には避難場所にもなる場所じゃよ。

フム、そうじゃな、富士山の七合目、そうじゃな、2790メートルになるかのう。

フム、そうじゃな、他の山小屋のことは、あまり知らんのじゃが、鎌岩館はじゃな、150年くらい前からあったようじゃのう。

フム、富士山が、それだけ昔から多くの人々に愛されてきた証拠じゃな。

フム、さて、わしも文字の世界から抜け出して、富士山に登る準備でもするかのう。フォッフォッフォッフォ。